記念すべき初めての注射
注射実習の話を聞くと、初めて生身の人間に針を通す時の緊張感はきっと相当のものだろうなと思う。現在では免許を持たない看護学生は実際に注射実習をする事はないらしい。模型的な何かを使用しているのを見た事があるが、果たしてあれで習得出来るのだろうか・・・いや、実際に注射しなければただのお医者さんごっこと同じである。
看護師が実際に初めての注射を人に出来るのは国家試験をパスしてきちんと免許を取得してからである。ビタミン剤で看護師が互いの腕で練習し合うのだ。では医師も研修医同士で練習し合うと言うことなのだろうか。では歯科医はどうなのだろう。麻酔を初めて打つ練習台はこれもまた研修医同士でやるのだろうか。腕に注射するよりも緊張しそうである。
考えて見れば人の血管や歯茎に針を射すって凄い行為である。やる方も緊張するが、やられる患者さんも「記念すべき初めての人」になるのだからご縁を感じずにはいられないだろう。きっと一生忘れられない患者さんになると思っている。
注射は回数をこなして慣れて行くしかない。勿論最初は怖いだろうがそれを克服しなければ医歯薬の道に進んだ意味が無いのだ。注射が出来ない看護師や医者なんていないのだ。
それにしてもわたしの腕の血管はいつも沈んでいるので、献血する時針でぐりぐりと探られるのが最高に気持ち悪い。きっとわたしのような腕は新人看護師さん達の初めての注射には使ってくれないのだろうと思う。